2026年8月01日

赤ちゃんの頭の形が気になるとき
― ヘルメット治療(頭蓋形状矯正療法)について ―
乳児健診で「頭の形が気になります」というご相談を受けることがよくあります。特に、後頭部が平らに見える、左右差がある、斜めにゆがんで見えるといった変化は、多くの保護者が心配される点です。
今回は、赤ちゃんの頭の形と**ヘルメット治療(頭蓋形状矯正療法)**について、医学的な視点を交えながらわかりやすく説明します。
赤ちゃんの頭が変形しやすい理由
赤ちゃんの頭蓋骨は、大人と違って骨同士がまだ完全にくっついておらず、**縫合(ほうごう)**というすき間があります。この構造により、出産時に産道を通りやすくなり、生後も脳の急速な成長に合わせて頭が大きくなることができます。
一方で、生後数か月は頭がやわらかいため、同じ向きで寝る時間が長いと外からの圧力で形が変わりやすくなります。これを位置的頭蓋変形と呼びます。
代表的な変形には次のようなものがあります。
斜頭症:後頭部に左右差があり、頭が斜めに見える
短頭症:後頭部全体が平らになり、頭幅が広く見える
長頭症:前後に細長く見える
近年は乳幼児突然死症候群予防のため仰向け寝が推奨されており、位置的頭蓋変形をみる機会は以前より増えています。



まず大切なのは「病気かどうか」の見極め
頭の形が変形していても、多くは位置的頭蓋変形であり、脳の発達に直接影響するものではありません。
ただし、まれに頭蓋骨縫合早期癒合症という病気が隠れていることがあります。これは縫合が早く閉じてしまう病気で、自然には改善しません。
小児科では診察で次の点を確認します。
耳の位置の左右差
額の突出の有無
頭囲の増え方
向きぐせの程度
首の動き(筋性斜頸の有無)
当院では問診や診察、超音波による画像検査を行い、病気が隠れていないか評価します。
ヘルメット治療とは?
ヘルメット治療は、赤ちゃん専用の軽量ヘルメットを装着し、頭の自然な成長を利用して形を整える治療です。
重要なのは、ヘルメットが頭を強く押して矯正するわけではないという点です。突出している部分には余裕を持たせ、成長してほしい部分にスペースを確保することで、成長の方向を誘導します。
治療開始時期が重要です
頭の成長速度は生後早期ほど速く、特に生後4〜6か月ごろが治療効果を得やすい時期とされています。
一般的な目安は次の通りです。
生後3〜4か月:経過観察や向きぐせ指導
生後4〜6か月:治療適応を検討しやすい時期
生後6〜8か月:十分な効果が期待できる
生後9か月以降:改善幅は小さくなる傾向
開始が遅くなるほど、頭蓋骨の成長速度が低下するため治療期間が長くなったり、改善が限定的になったりします。

治療の流れ
①頭の形を計測(専用のカメラを使用します)
②変形の程度を評価
③オーダーメイドヘルメットを作製
④ヘルメットを装着
⑤定期的に調整(通常2〜4週間ごと)
多くの場合、1日20〜23時間程度装着し、治療期間は3〜6か月前後です。
装着例


治療中によくみられること
①汗をかきやすい
頭部は汗腺が多いため、特に夏は汗をかきやすくなります。毎日清潔に保つことが大切です。
②一時的な赤み
装着直後に軽い赤みが出ることがありますが、通常は短時間で消えます。赤みが長く続く場合は調整が必要です。
③睡眠への影響
多くの赤ちゃんは数日で慣れ、普段通り眠れるようになります。
発達への影響は?
位置的頭蓋変形そのものが、知能や運動発達の遅れを直接引き起こすという明確な証拠は現在のところありません。
ただし、向きぐせが強い赤ちゃんでは首の動きの偏りがみられることがあるため、腹ばい遊びや抱っこの向きを変えるなど、左右均等に体を使う機会を増やすことが勧められます。
ご家庭でできる予防とケア
起きている時間に**腹ばい遊び(タミータイム)**を行う
抱っこの向きを左右で変える
授乳時の向きを時々変える
ベッドで見える景色を変え、同じ方向ばかり向かないようにする
これらは軽度の変形の改善や予防に役立ちます。
受診する目安
次のような場合はご相談ください。
生後2〜3か月を過ぎても向きぐせが強い
頭の左右差が目立つ
額や耳の位置に左右差がある
頭囲の増え方が気になる
家族が頭の形を強く心配している
早い時期に評価することで、「経過観察でよいのか」「治療を検討した方がよいのか」を適切に判断できます。
料金
初回の相談や診察、検査は保険診療となりますが、
実際にヘルメットを作成する場合は以下の料金でのご案内となります。
40万円(税込) (診察・フォローアップ込み)
※10月限定 ヘルメット治療スタートキャンペーン 38万3000円(税込)
当院の「あたまの形外来」が選ばれる理由
~小児科医・皮膚科医による総合的なサポート体制~
当院では、小児科・皮膚科の専門医が在籍し、総合的なサポートを行います。
🌸小児科専門医が赤ちゃんの発育・発達を確認しながら診察を行います。
頭の形だけではなく、
向きぐせの原因
首の動きや筋緊張
発育・発達の確認
生活指導や体位変換のアドバイス
まで含めて総合的に評価します。
単にヘルメット治療を行うだけではなく、「治療が本当に必要なのか」を医学的根拠に基づいて判断します。
🌟皮膚科専門医がいるから、装着中の肌トラブルにも安心
ヘルメット治療では、毎日20時間以上装着するため、
汗によるあせも
湿疹
接触皮膚炎
摩擦による赤み
などの皮膚トラブルが起こることがあります。
当院には皮膚科専門医が在籍しているため、装着中の肌の状態を専門的に評価し、必要に応じて適切な外用薬やスキンケアを提案できます。
皮膚トラブルを早期に改善することで、ヘルメット治療を中断せず継続しやすくなることも大きなメリットです。
🐤「治療を始めるかどうか」を一緒に考えます
「まずは相談だけ」という受診も歓迎しています。
~赤ちゃんの大切な成長期だからこそ、専門医による安心の診療を~
赤ちゃんの頭の形は、成長とともに変化する一方で、治療を開始できる時期には限りがあります。
当院では小児科専門医が赤ちゃんの健康を総合的に診察し、皮膚科専門医が装着中の皮膚トラブルまでサポートします。
「頭の形」と「肌」の両方を専門的に診られることが、当院の「あたまの形外来」の大きな特徴です。
少しでも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

